平成13年(2002)烏帽子岳および白水越地区第2地熱発電所調査開始
地熱開発の井戸は1500mから2000mの傾斜掘削で、いったん開発が決定すれば巨大な井戸を20本30本と掘り進めていきます.。
1 日本最初の国立公園、日本発祥の神話をもつ霧島・・・ 。豊かな自然環境は水をはぐくみ、空気をつくり、環境省の森林セラピー基地にも指定されています。この国立公園の自然の中に、大規模な設備の地熱発電所が必要でしょうか。
2 日鉄鹿児島地熱(株)は断層が違うので温泉には影響ないと主張しますが、断層は一連で影響があるという調査結果もあります。温泉は有限であり社会問題となるような開発なら着手しないのが原則です。
地熱発電所調査開始 の時、井戸掘削は地下エネルギー調査のためであり、地熱発電所建設のためではない、調査終了後は埋め戻すとの説明でした。
1本の生産井戸から噴出する蒸気および熱水は250t/h~350t/hでホテル旅館の温泉井戸とは桁違いの大きさです。
上記のように温泉井戸の掘削は独立行政法人NEDOが行い、その後生産井に転用され、地熱発電所に使用されます。
NEDOは次々に井戸を掘削する前に、なぜえびの高原が枯渇したか、すべての人が納得できる説明の必要があります。
また掘削された井戸は、調査終了後も埋め戻すことはなく噴気試験が続けられていました。(現在は噴気試験はありません)
エコの名の下に、国立公園の森林が破壊され、土地が開かれ、2000mもの巨大な井戸が次々に掘削されています。
大霧地熱発電所が計画された頃も開発促進か反対か大きな議論があったそうです。牧園町郷土史によれば「熱水は地域暖房や温泉給湯、農業用温室、養魚など幅広く使われ産業振興はもとより生活の向上に役立ち・・・・」とバラ色の将来を期待しています。地熱発電所が建設されて15年以上が経過した今現在、そのような恩恵はどこにもありません。
霧島国立公園の中で、もっともっと電気をつくる必要があるのでしょうか。衛星写真などでは、大きな開発の跡が示されています。私たちに必要なのは森林であり水であり、涼しい環境とおいしい空気です。地熱発電所建設後10年を経てえびの高原から温泉蒸気が消え失せました。そして名所だった露天風呂も廃墟となり、たくさんの観光客を失っています。 発電所の説明は「温泉源の移動」や「大雨」というものですが因果関係の立証はありません。
わずか3万kwのためのリスクはあまりに大きすぎます。